| 朝方の悪戯 |
鳥の囀る声が聞こえる。 しかし、まだ日が昇りきるまでには時間があるようで、辺りは薄暗さに包まれていた。 「・・・ん・・・」 ふと、意識が浮上して緩く瞼を持ち上げる。 暫し寝ぼけ眼でぼーっと目の前にあるカーテンを見つめて。 その隙間から微かな淡い朝の光が差し込んでいるのを認識して、朝なのだと理解した。 「・・・朝・・・?あ・・・っ」 「ぅ・・・っ」 思わぬ現状を自覚したユーリは、一気に眠気が吹き飛び、羞恥に顔を染めた。 背後で未だ夢の中に居た人物も、小さな呻きと共に顔を顰めたのが気配で判った。 う、動くに動けない・・・っ どうにかこうにか自分を騙して、体から力を抜こうと意識するのだが。 「・・・ゆー・・・り?っ・・・あまり、絞めないで」 「なっ・・・何でこんな状況なんだよっっ?!・・・ひぁっ」 叫ぶと同時に無意識で下腹部に力が入ってしまい、それにコンラッドの"モノ"が反応を返してくれたことでユーリはびくんっと体を震わせた。 そんなユーリを余所に、コンラッドは苦笑を浮かべてユーリの腰に手を回して、ぐいっと引き寄せた。 「ひっんぅ・・・」 「・・・どうしたんです?」 クスクスと耳元で声を立てて、その耳朶をそっと食む。 それだけでビクビクと震えるユーリに、コンラッドは抱く手に力を込めた。 「可愛い、ユーリ」 「やっ・・・コンラッド・・・のバカっ・・・やめろってば・・・っ」 「それは・・・ちょっと無理かな。ユーリのだって、ほら。」 少し困ったような声に、コンラッド自身少々切羽詰っているのが判る。 もちろん、ユーリだってそれは同じで。 「あ、・・・あっ」 背後から回された掌が、ユーリの欲心を包み込みそっと擦る。 それだけで先走りを零すユーリのモノは、昨夜の行為も相成ってか簡単に高められた。 そうだ。 昨夜、コンラッドの部屋に来ていたユーリは部屋に戻らず一夜を過ごした。 もちろん、コンラッドと共に熱を分かち合って眠りについたのだ。 あまりの眠気に意識を途中で落としたユーリは、その後コンラッドも一緒に落ちてしまったことを知らない。 所謂―――コンラッドも日々の疲れに負けて、後処理もせずに"繋がったまま"寝てしまったのだ。 それで現在こういう状況下になっているわけで。 「んぁっ・・・はっコンラッド・・・っ」 「ユーリ・・・っ」 どくんっとユーリの熱が弾け、コンラッドの手を濡らす。 と、同時に、コンラッドもまたユーリの中に欲望を吐き出した。 荒い呼吸音が暫し部屋を満たし、くたりと力なく横たわるユーリの体を反転させて自分と向き合わせる。 落ち着くまで髪を梳き、ちゅっと額にキスを落として。 「もう少し寝ててもいいですよ。まだ時間がありますから」 「ん・・・コンラッド・・・」 「うん?」 すりすりと擦り寄ってきたユーリは、コンラッドの胸に顔を埋めた。 その様子に少しだけ目を見開き、すぐにコンラッドは破顔する。 蕩けるような笑みを浮かべると、すっぽりと収まる愛しい少年を抱きすくめたまま暫し瞼を閉じた。 微かな寝息を響かせるユーリにもう一度キスを―――今度は唇に落とし、コンラッドはそっと囁いた。 「愛してるよ、ユーリ」 「・・・ぅん」 「!」 思わぬ返答にコンラッドは今度こそ驚愕に目を見開く。 だがしかし、相変わらず寝息を立てる恋人に苦笑を浮かべた。 どうやら寝惚けたらしい。 それでも、その表情が何処か嬉しそうに見えるのは、自分だけだろうか。 そんなことを思いながらも、コンラッドは今度こそ本当に睡魔に身を委ねることにしたのだった。 |
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