| 叫びし心 |
「もう、疲れた・・・」 その声が、いつまでも脳裏に焼きついて離れない。 初めは、そんな素振りなどなかった。 彼がシマロンから帰還し、誰もが喜び歓迎してくれて、ユーリは内心でホッと胸を撫で下ろしたほど。 しかし日が経つにつれ、やはりと言うべきか、十貴族の老齢たちは口を揃えてコンラッドのことを批判し始めた。 何故、王に刃を向けた者を迎え入れたのか、と。 罰すればこそ、再び王の護衛として拝命するなど有り得ないと。 そうして、批判は肥大しついにはユーリ自身への批判へとすり替わる。 それもそうだろう、彼らはユーリが王になることを当初から大反対していたのだから。 解っては、いたのだ。 例えどんなに城の者や、民が彼を許そうとも、十貴族の者たちは何かしら反論はしてくるだろうと。 だが、それに屈するユーリではない。 何よりも曲がったことが大嫌いで、だからこそ言いたいことがあるなら面と向かって言えばいいと考えている。 影ながら囁かれる言葉に傷つくこともあったが、それでもコンラッドを手放す痛みよりも数十倍マシだと思っているから。 だからこそ、コンラッドが傍にいればそれで十分だからと、そう思っていたのに。 このことで一番堪えていたのは、当のコンラッド自身だった。 彼は自分のことだけならまだしも、ユーリのことにまで及ぶ批判にいたく己自身を責めた。 傍にいてはユーリまで更に批判を受けることになると思ったのだろう。 少しずつ、ほんの些細なことから、コンラッドはユーリと距離を取り始めたのだ。 いつもの名称でのやり取りでさえ彼は曖昧な笑みで誤魔化し、決して名を呼ぶことをしない。 それから夜の逢瀬をも拒絶し、本来の護衛としての役割としてしか彼は傍にいなくなった。 その全てが、ユーリにとって逆効果だと知らずに。 * * * その日の夜、ユーリはきちんと話し合おうとこっそり自室を抜け出してコンラッドの部屋へ赴いた。 これ以上はユーリの精神が持たない。 再び離れてしまうのではと言う恐怖に、居ても立ってもいられなくて。 突き動かされるように訪れた部屋の前、聞こえた声は望む者以外にも一つ。 「・・・随分と滅入ってるんじゃねぇの。あんたにしては珍しいな」 軽く弾むその声の持ち主のことを、ユーリは知っている。 夕焼けに似た髪と、逞しい上腕二等筋。 この国の仮執政であるフォンヴォルテール卿グウェンダルの部下、敏腕諜報員のグリエ・ヨザック。 何故彼がここに・・・? 「まぁ、坊ちゃんを批判されてそれが自分のせいだとあっちゃぁ、お前が距離を置くのも無理はない。だけどそれでお前自身が堪えてどうする?」 叱るようなその声に、窺い知れる気遣い。 「・・・解ってるさ。でも、な・・・」 扉一枚隔てた向こうから聞こえる声は、どこか気の抜けた苦笑の滲むもので。 ここ最近自分には聞かせてくれない、本来の声。 「なら、オレが慰めてやろうか?」 ギシリと、恐らくソファに体重をかけたのだろう音が聞こえた。 嫌な光景が脳裏に浮かび上がる。 コンラッドの声が聞こえた位置も、ソファのある辺り。 「お前が、体で?・・・それも、いいかもな・・・」 ふ・・・、と吐息を零して。 奥深くに蟠っていた物を吐き出すかのように。 「――の、・・・は、もう疲れた・・・」 「―――っ!!」 何に? 彼は、何に対して疲れたというのか。 肝心の部分が小さすぎて聞き取れない。 だが、その隠された言葉は恐らく・・・。 導き出された答えに、ユーリは溜らずその場から駆け出した。 もう、これ以上二人の会話を聞いていることなんて出来ない。 「・・・・・・やば」 「?」 瞬間、ヨザックは扉を見遣り顔を引き攣らせた。 今の気配は、間違えようもなく彼の人のもの。 そう、間違えるはずがないのだ、目の前の男だって。 それなのに、何故無反応なのだろう・・・? 「どうした?」 訝しげに囲った腕の中に居る男を見下ろし、ヨザックは深い溜息を吐き出した。 「お前、本当に坊ちゃんのことはどうでもいいわけ?大層な態度取ってるみたいだけど」 「馬鹿かお前は。そんな事、到底有り得ない」 状況的にあまり親しい態度を取ることは良くない。 だからこそ、今はこうして距離を取っているのだ。 たとえ引き裂かれそうなほどに心が彼を求めていても。 「だよな・・・。だったら、やっぱり拙かったか・・・。あんたが冗談に乗ってくるなんて滅多に無いから、つい調子に乗っちまった」 「冗談だと解っているから、乗ってやったんだろう?」 よく言うぜと悪態を吐き、それから肩を竦めて。 去っていく気配に目を細める。 「・・・まぁ、坊ちゃんもああ見えて表情を隠すのが上手くなってきたからな。十貴族の爺共の言葉に傷ついてんのはオレも気付いていたが」 「あぁ。もっと、感情を露わにしてもいいのに・・・」 こちらに来た当初は、それは起伏の激しい人だった。 喜怒哀楽がはっきりしていて、何を欲し求めているのかが手に取るように解る。 だが、コンラッドの出奔事件から後、否が応にも精神的成長を求められた彼はその感情を隠す術を覚えた。 どんなに辛いことが起こっても、笑顔で繕う術を覚えてしまったのだ。 本来は、純粋で強い心を持ち、同時に酷く臆病で淋しがりやな少年なのに。 「俺が、自分のエゴで行った行動がこれほど深く彼の心を傷つけることになるなんて・・・」 「そうだな。その離れていた時間が長かったせいか、どうやら坊ちゃんの気配にまで疎くなってるときた」 「何を言って、」 不機嫌に染まり、そんなわけがないと続く言葉は、しかしヨザックの発言で封じられた。 「あんたがオレの冗談に付き合ってる最中、そこに坊ちゃんがいたの気付いてなかっただろ?」 「な・・・?!」 大きく目を瞠らせたコンラッドは、慌ててソファから立ち上がると扉に駆け寄る。 その背に、ヨザックの声が続いた。 「遅いって。もう走り去った後だ」 「・・・っ!」 確かに、そこには求めて止まない彼の姿はなかった。 だが、進むことを止めない足は廊下へと。 大切な、愛しい彼を追うために。 * * * そこにいた彼は、月の光に照らされて中庭の噴水へと手を翳していた。 静かな水面が淡く青白い光を纏い、風が吹いているわけでもないのにゆらりと円を描き出す。 水の膜は彼を包み込み、そして・・・。 「ユーリ!!」 「っ・・・」 声に反応した彼が、その漆黒の瞳を大きく見開いた。 一瞬強張った表情は、だが水面から手を引くと同時になりを潜める。 「・・・どう、したの?こんな時間に。あっ、もしかして何も言わないで出てきちゃったから衛兵さんたちが心配して報せが行ったのかな」 先ほどとは打って変わった笑みを浮かべ、ユーリが済まなそうに「ごめんな」と告げる。 「もう、向こうに随分と戻ってないだろ?お袋とか親父とか、心配してるんじゃないかと思ってさ。ここだと魔力との相性もいいし、すぐ戻ってくるつもりだったから誰にも言わないで出てきちゃったんだよね」 すらすらと紡がれる言葉は、確かにこちらの意を先回りし的確に的を射ている。 予めこちらが何を問うかを、彼はすでに読んでいたのだろう。 だが、彼の言葉から感情が流れてくることはない。 まるで、感情の篭らない人形芝居を観劇しているような。 「見つかっちゃったものはしょうがない、また次の機会とするか。ほら、あんたももう戻りなよ。おれも大人しく部屋に戻って寝るからさ」 今頃ヴォルフラムに占拠されてそうだなー、と軽口を唇に乗せるも、その実目は何の感情も読み取らせてはくれない。 笑っていても、目だけは冷やかに夜の色を宿してるまま。 「・・・先ほどは、あなたが部屋へ訪れているにも気付かず申し訳ありませんでした。良ければ、今からお越しになりませんか?」 さり気無く核心を突く言葉遣いはこの生きてきた年数で培ってきたもの。 にこりと笑みを向ければ、相手はきょとんと目を瞬かせ。 次いで、鮮やかな笑みをその口元へと刷いた。 「気にしなくてもいいのに。寧ろ二人の邪魔をして悪かったかな?あんたは護衛として、おれの行動に目を瞑ることができないしね」 「あなたは何か誤解をしている。ヨザックとは親しい友人の間柄。ただそれだけです」 「誤解?誤解って何を?」 「・・・ユーリ」 低い呼びかけにも、彼は全く反応を返してはくれない。 全てを覆い隠そうと、内面を相手に見せまいと必死になって。 物言いも、普段の彼とは大違いなほど他人めいている。 こんな彼は知らない。 自分の知るユーリはもっと感情表現が豊かで、誰にでも優しくて、そして何をもにも屈しない。 けれど、その実淋しがりで、甘えん坊で、恥ずかしがりやで。 全てを自分に委ねてくれた。 絶大な信頼を寄せてくれた。 それが、今はどうだろう? コンラッドを拒絶し、世界から己を遮断して。 たった一人で、己を匿う殻に閉じ篭っている。l 「話を聞いて、ユーリ」 「聞いてるよ。聞いて、質問に答えていないのはあんただよ?ウェラー卿」 「っ、」 たった、呼ばれた名が違うだけでこれほどまでの衝撃を受けるとは。 いや、それよりも彼の中で確実に体内時計が狂いだしている。 記憶が、過去へと戻りかけているのだ。 そこまで彼の心は追い詰められているのか・・・。 足元から崩れ落ちそうな感覚を、踏ん張ることでやり過ごす。 「部屋へ・・・、おいで、ユーリ」 きちんと話をしなければ。 差し出した手を無感情に見下ろす表情にずきりと胸の奥が痛みを訴えるけれど。 こんな表情にしたのは己の取った行動が原因なのだから。 「おいで。・・・大丈夫だから。もうあなたを一人にしないよ」 縮まらない距離をコンラッド自ら埋め、呆然と立ち尽くすユーリを抱き寄せた。 「・・・な・・・せ・・・」 「できません」 「は・・・なせ・・・」 「いいえ、できません」 「離せ・・・っ」 「できない」 出来るわけがない。 ここで離してしまえば、彼は二度と戻っては来なくなる。 それを知っていて、離すことなど出来ようもなかった。 「な・・・で?だって、だってあんたはヨザックと・・・本当はヨザックと体を・・・っ」 「あれは奴の悪ふざけだ。あなただって知っているでしょう?あなたが去った後、俺たちの間に情事関係など全くない」 「・・・っ、疲れたっ、て、言ったじゃない・・・か・・・っ」 「?」 感情を押さえ込んでいるためか、その声は以上に震えを帯びていた。 低く呻るような声に、言葉を理解できなかったコンラッドは僅かに体を離し月夜に浮かぶ顔を覗き込む。 「ユーリ?」 「疲れたって、言った、だろっ?おれのことに、疲れたんだろう?!」 「何を言って、」 「こんなガキでへなちょこで未発達な体でっ、あんたを満足させてやれることなんて何一つないもんなぁ!?っはは、こんな子供が魔王で、悪かったよ・・・っ」 「!」 それは、ユーリの心からの叫び。 吐き捨てるようなその言葉こそが、今まで溜め込んできた胸の内だったのだろう。 「・・・なぁ、おれ、何か間違ってた?この国に対して、あんたに対して、何か間違ってた?だから離れていくの?」 「違う・・・」 「何が違う?なぁ、教えてくれよコンラッド。おれはどうしたらいい?あんたまで居なくなったら、おれ、どうすればいいのか・・・わかんないよ・・・っ」 「ユーリ・・・」 震える声に反し、それでもその瞳は乾いたまま。 どうして泣いてくれないのだろうと見当違いなことを思いながら、震える肩をきつく抱き寄せる。 そっと頬に手を這わせ、促すように上向かせるとその闇夜に紛れそうな瞳に吸い込まれるようで。 導かれるように冷えた唇に己のを押し付けると、驚きに闇夜が広がった。 「・・・コ・・・ンラ・・・?」 「俺にとって大切なのは、あなた自身だ。あなたの体を求めているわけでも、王としての肩書きを望んでいるわけでもない。それでも、あなたは立派に魔王として民に慕われている。俺は、そんなあなたが好きなんです」 「・・・でも、疲れたって・・・」 「それが、俺には良く分からないのですが・・・。いつ俺があなたとの関係に疲れた何て言ったんですか?」 言った覚えなどこれっぽっちも記憶にない。 これほどまでに愛しい人を、今さら手放せるはずもないのだから。 見つめる先の瞳が、次第にゆらりと揺らめきだす。 一筋の道辿るかのように、雫が頬を零れた。 「・・・ヨザックが、慰めようかって言って、あんたがそれもいいって・・・それで、もう疲れた、って・・・」 「・・・っそうか、そのセリフか!」 漸く思い至り、コンラッドは大袈裟に天を仰ぐ。 どうやら、彼は中途半端に話を聞いてしまっていたようだ。 「あれは、あなたのことじゃない。十貴族の連中のことだ」 「え・・・?」 「俺はあなたと距離を取りつつ、グウェンダルと十貴族の連中への対応を熟考していたんです。元はといえば俺の浅墓な行動ゆえの結果ですからね、彼らを宥めるのは俺の仕事だ」 流石に一筋縄では行きませんがね。 肩を竦め、苦笑を浮かべてみせる。 ユーリの瞳はぱちりと雫を弾き、白銀の光に照らされて土へと還った。 「大丈夫、人の噂も75日と言うでしょう?時が経てば彼らの口も減ります。何より、国民が良しとしない」 「どういう・・・」 「今回の一件で随分と俺も英雄呼ばわりされてます。とくにあなたへの羨望は厚い、十貴族の連中など恐れるに足りません」 一人の民では力がなくとも、何百何千、何万と言う民の声が合わさればいくら十貴族といえそれを捩じ伏せることはできない。 力で物を言わせるには限度があるのだ。 小さな頭を引き寄せ、涙の浮かぶ眦と濡れた頬を唇で拭い取り、啄ばむように口付ける。 数回それを繰り返すと、次第に花のように甘い蜜が双方の唇の合わせ目から伝い落ちた。 「ふ・・・、んっ」 「ユーリ・・・愛してる」 「コンラッド・・・っ」 触れ合わせるだけの口付けから、貪るように深く。 もどかしげに舌を差し出してくるそれへ自分のを絡め、根元を擽って。 「っ、・・・ぁ」 たくし上げたシャツの裾から手を差し入れると、掌の冷たさに反応した体が小さく震えた。 脇腹を撫上げ、辿り着いた胸の突起へと指先を這わせて、そっと擦ると鼻に掛かった声が鼓膜を打つ。 「ひぁ・・・っ、く、ぁッ」 抑え切れない喘ぎにユーリは首を振り、弱々しく掌で口元を覆った。 それでも絶え間なく漏れる声に、止めてと瞳が訴える。 「今さら、止められるわけがないでしょう?」 「や・・・っ、コンラ・・・」 そのまま噴水の淵に座らせ、零れた唾液を辿るように唇を移動していく。 動脈の辺りでぴたりと動きを止め、きつく吸い上げると鮮やかな朱の花弁が舞い落ちた。 銀糸を断ち切るようにぺろりと唇を舐め、更に求めるまま鎖骨へと舌を這わせる。 同時に手はユーリのシャツを肌蹴させ、外気に晒されて粟立つ胸を弄りながら愛撫を施す。 ベルトに手をかけると流石に理性を取り戻したユーリの手が制止を掛けてきたが、やんわりと外してその甲にも口付ける。 「んっ、」 「酷く咽喉が渇いてるんだ・・・。ユーリのこれ、飲ませて?」 前儀で張り詰めたそこは、勢い良く天を仰いでいる。 面積の少ないせいで顔を覗かせる鈴口からは、とぷりと白濁した涙を零し始めていた。 「可愛いね、ユーリのここ。もうこんなになってる」 「いわな・・・で・・・っ」 つと人差し指の腹で鈴口を撫でると、淫猥なそこが嬉しそうに震えた。 わざと下着を外すことはせずに、コンラッドは顔を覗かせている桜色をした欲芯に唇を寄せ、ちゅっと吸い上げる。 「あぁっ」 「気持ちいい?」 崩れないよう腰から背にかけてを片手で支え、もう片方で反射的に閉じようとする腿を割り開き。 かすかに揺れ動き始めた腰に目を細め、すっぽりと口の中に収まるユーリの欲心にうっとりと瞼を伏せる。 どんな高価な果物よりも甘い果実。 そこから溢れる雫は、コンラッドにとって最高の美酒。 「ぁっ、ん、ひぁ・・・ッ」 力の篭らない指が、縋るようにコンラッドの髪に絡みついた。 くちゅ、じゅぷ、とイヤらしい音が周囲を満たす。 いつの間にやら全裸にされたユーリは、周囲に響くそんな卑猥な音にも反応して更に腰をコンラッドへと押し出した。 「コ・・・ンラ、っ、も・・・出ちゃ・・・っ」 「いいよ、いっぱい出して」 布の上から袋を揉みしだき、根元まで引き降ろされた下着には溢れ出た雫が白い染みを残していく。 かり首を歯でやんわりと引っ掻き、また奥まで咥え、強く吸い上げながら一気に引き下がる。 「っ、ひあぁんっ」 勢い良く迸った精は、余すことなくコンラッドの口が受け止め嚥下した。 こくりこくりと咽喉を鳴らし、最後の一滴まで搾り取るように吸い上げる。 そうして満足そうに微笑むと、「ご馳走様」と言ってまたぺろりと唇を舐めた。 「ねぇ、今度は俺の部屋であなたを愛してもいい?」 くたりと力の抜けた体を抱き止めて、こめかみに口付ける。 息を整えようと大きく深呼吸を繰り返したユーリが、恐る恐るコンラッドを見上げ。 「・・・ヨザとは、何もないんだよね?」 「全てに誓って、奴とは何もないよ。俺が求めるのはユーリにだけ」 ほら、とユーリの手を導いて己の欲芯へと宛がう。 「っ・・・」 「ね?これがこんな風になるのは、ユーリにだけだよ。ユーリが俺に全てを見せてくれて、俺を愛してくれるから嬉しくて反応するんだ」 だから、と。 囁く吐息は甘く切なげに。 ただひたすら真っ直ぐ、ユーリを求める。 「ユーリで俺を満たして。俺に、ユーリをもっと愛させて。あの部屋で」 「コンラッド・・・」 自分を見つめてくる瞳が、柔らかく細められる。 伸びてきた手はコンラッドの頬に宛がわれ、引き寄せるままに唇を合わせた。 そして小さな、とても小さな声が「いいよ」と囁く。 「連れてって、コンラッドの部屋に。そこで、もっとおれであんたを満たして?」 とても嬉しそうに、頬を朱で染め上げながら告げる。 満天の星空と、その中に浮かぶ月がひっそりと溜息を零すように傍に在る樹木の葉を揺らし。 「おいで、ユーリ」 「うん」 今度こそ、差し出された手に小さな掌が重なった。 |
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あんまり甘くならなかったなぁ・・・。 しかも、エロさ加減も微妙・・・orz |