+ 短い誓い +





 あの日、あなたが俺を受け入れてくれた日からずっと、この胸の中に存在する愛しさ。
 ぽっかりと空いた穴を、あなたはいとも簡単に塞いでしまった。

 どれだけの女性を抱いても。
 どれだけの酒に酔いしれても。

 決して埋まることのなかった空虚な穴。
 自分の存在理由さえ見つけられず、ただ生きることを強いられてきた日々。
 あなただけが、あなたの全てが、俺を生かす存在理由。

「好きだよ」

 たった一言の、誓い。
 世界一短くて、とてもありきたりな言葉。
 けれどその言葉には、溢れるほどの愛情を込めて。

「ななななっ何だよいきなりっ!!」
「ん?何となく・・・ね。あなたが可愛いから。」

 そういってにっこり微笑んで見せると、目の前の少年は見る見るうちに顔を赤らめていく。

 ああ、だからそういう顔しちゃダメだって。
 どうしてそう、無意識に質悪く人を煽るかなぁ、この人は。

 俺はより一層笑みを深くして、掠め取るように唇を奪った。
 もちろん、今二人が居るのは"一応"人の行き交う血盟城内の廊下だ。
 ヴォルフラムやギュンターになど見つかれば大騒ぎになるのは必死。
 その二人じゃなくても、噂好きなメイドはごまんと居る。

「〜〜〜〜っひ、人に見られたらどうすんだよ!!」
「大丈夫、いたら気配で分かりますから。だから、ね?」
「何が、ね?だ!そうやってすぐキスしてくんの止めろって言ってるだろっ」

 ユーリは火照った顔を隠すように右手を己の眼前に掲げる。
 その腕を掴んで引き寄せ、俺はまたユーリの唇に自分の唇を這わせた。

「・・・んっぁ・・・こら・・・っ」
「好きだよ、ユーリ。」

 世界一。
 誰よりも何よりも、あなただけを。
 いつだって、誓ってみせる。
 そしてどこまでも、二人で見続ける未来(ゆめ)。
 






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