WEB CLAP 6  ボイスクロック Ver.3



 ごろごろと転がる姿に、入って早々コンラッドは「ぷっ」と噴出した。

「おはようございます、陛下」
「おはよー・・・んでもって陛下じゃないだろー・・・」
「そうでした」

 くすくすと声を立てて笑うコンラッドを、顔を顰めたユーリが見上げてくる。
 しかしその声音や姿からは、彼がまだ睡眠を欲していることを物語っていた。

「今日は随分と眠そうですね。」
「あー、昨日遅くまでグレタに付き合ってたからなぁ・・・」
「毒女シリーズの最新刊ですね?」
「そー・・・」

 ボフン、と再び枕に頭を突っ伏し、「ねみぃ・・・」と呟く。
 そんな主を見下ろして。

「分かりました、10分後にまた起こしにきます。」
「サンキュー・・・」

 すでに半分夢の中、のユーリはコンラッドの言葉に体の力を抜いた。
 ヴォルフラムは昨夜遅くに領地から呼び出しを受けたため、今現在このベッドはユーリ一人が占領している。
 しかしそんな至福のときはそう長く続くわけも無く。

「・・・・・・たぶんそれより前にギュンターが来るだろうけど。」

 コンラッドの吐息のような――でもユーリには聞き取れるくらいの呟きで、半分まで睡魔に侵されかけた頭は一気に現実へと引き戻された。

「どうします?」
「・・・・・・」

 無言でじとりと睨みつけるが、あまり効果は得られたためしが無い。
 しかもこの含んだ物言いは、彼のよしとする返答をしなければ良くないことが起こる予兆。

「・・・あんたに起こされるほうがいいに決まってんじゃん」
「じゃぁ起きないとね。」

 もぞもぞと上半身をベッドの上に起こしたユーリに、にっこりと微笑んで。
 目を擦るその手をやんわりと掴み、空いた手を彼の滑らかな頬を滑らせてそっと顔を近づけると、少年の瞼がこちらの意を得ているかのごとく降ろされた。


 ちゅっ。


 軽い音を立てて、瞼に。
 そして唇にキスの雨を降らせる。

  起きてからの恒例儀式。

 このキスで、今日の一日が始まる。

「おはよう、ユーリ」
「おはよ、コンラッド」

 ふわりと微笑み合って、儀式は終了。

「さぁ、最初に顔を洗ってしまいましょう?眠気も飛びますよ」
「そうだなっ」

 うーん、と1つ大きな伸びをして、ユーリはベッドから飛び降りた。